トップ > 業務案内 > 害虫防駆除(がいちゅうぼうくじょ)・症状

庭に発生した虫を100%駆除するのは現実的ではないかもしれません。しかし植物や人に害を及ぼすものが発生すると害虫とされます。100%駆除ではなく、最良な方法で害の原因を排除するが正しいと言えます。 "発生しやすい時期"がありますのでそれを狙って薬剤を活用し防除の予防対策や駆除をします。害虫による被害を避け大切な植物を守る事ができます。虫や虫の卵、植物の異変など定期的な観察と薬剤の有効な活用がポイントです。

被害の状況や規模や場所・害虫の種類・樹木や草花の種類・薬剤の形状や散布(さんぷ)時期、それぞれを考慮し、対策させていただきます。

  • 季節に応じた庭木の消毒を承ります
  • 病害虫の予防ご相談ください
参照  Q26 農薬などの散布をお願いした時の洗濯物やペットの事が心配です。
→ A26
質疑 Q/A     Q33 庭木の消毒だけお願いできますか?  → A33 はい。できます。

よく見られる時期・樹木・虫

宝塚 消毒 イラガ

一般に5~7月と9~10月が1年の内で一番多いとされています。 椿 ( ツバキ ) 山茶花 ( サザンカ ) などは毛虫がよく発生しやすい木です。葉を食い荒らす食害があるばかりではなく、虫に直接触れなくても毛が飛び、人間の皮膚に害を発生させるチャドクガという毛虫が特によくつきます。 紅葉 ( モミジ ) ( カシ ) 類によく発生する事が多いイラガという毛虫がいます。鮮やかな色をしていて、これも人間の皮膚にかゆみや痛みの害をもたらします。

このように人間にも直接被害をもたらすことのある害虫がいますので、発生しやすい樹木がある場合は特に注意が必要です。少しでも異変がないか、下記の様な症状がないかこまめに観察し、定期的な薬剤の散布をする事により事前に対策をしておければと思います。

吸汁性害虫(きゅうじゅうせいがいちゅう)

植物の養分を吸い取り、寄生している害虫。生育が悪くなったり、排泄物を葉に残す事により2次被害が出てくる事もあるのでどういった虫による被害なのかよく観察します。
害虫名 発生時期 症状 防駆除法
アブラムシ  3~11月 葉や新芽、新梢、蕾、花などに群れて寄生するものが多く、甘露を出し植物がカビを生じる。これによりすす病やウィルス病を誘発することもある。他に根に寄生するものや葉に虫コブを作るものなどもいます。 スミチオン乳剤1000倍液、オルトラン粒剤を土壌に施す。
カイガラムシ  周年 樹木類につく害虫では最も多い害虫です。貝殻のような殻を被っていることが多いことでこの名前がついていますがロウ物質や粉状の物質で覆われたりして塊になり寄生しているものもいます。 5月~7月の幼虫発生期にアクテリック乳剤500倍~1000倍液を散布。ボルンなどの殺虫剤
ハダニ 4~11月 肉眼では見えない害虫で、葉や花弁に針に似た口を差し込んで養分を吸っています。その跡が小さな白色や褐色の斑点を生じる。 ベニカX乳剤など
アザミウマ(スリップス) 乾燥・高温時期に異常繁殖 花弁や葉の色がかすり状に抜けたり、しみや褐変が現れたりします。 ベストガード粒剤など
コナジラミ  一年中、発生を繰り返すこともある。 体長が2~3ミリと小さく、群生している。卵や幼虫はうす黄色の楕円形をしています。成虫は白色で植物を揺らすといっせいに飛び立ちます。葉や花に甘露を出して植物の生育を悪くさせます。 オルトランDX粒剤、ベニカグリーンVスプレーなど
グンバイムシ 特に多い時期は春先 葉裏に体長3ミリほどの成虫が群れて寄生し吸汁しています。葉の表面は白いかすり状になります。病害やハダニの害とよく似ていますので注意してください。成虫の羽が行司の持つ軍配の形に似ていることからこの名前がつきました。 スミソン乳剤など葉裏までていねいに散布する。
カメムシ 4~11月 特に被害が多い豆類や果樹に幼虫・成虫が寄生し吸汁する。茎などに寄り集まって植物の養分を横取りするため、株が弱ったり枯れたりする被害があります。 アクテリック乳剤
センチュウ 3~10月 根に寄生して養分を吸い上げるネコブセンチュウとネグサレセンチュウは色々な植物に最も多く被害を与えています。1ミリ以下の体長で土の中で生息しているため、肉眼では確認できません。寄生された植物は生育が乏しく、下葉が枯れてきたりします。株を抜いて根を見ると大小のたくさんのコブができていたり、根が腐って少なくなっていたりします。 バイデート L粒剤など
ネダニ 1年中被害の可能性がありますが、高温期は被害が大きくなります。 土の中で繁殖している害虫で主に、球根草花に虫が多数群がり被害を及ぼす。株をひいて根を見てみると鱗片や細根が腐ってありません。球根を貯蔵中にもネダニが寄生する場合があります。 アクテリック乳剤など

食害性害虫 (しょくがいせいがいちゅう)

葉や花弁や蕾・果実などをたちまち食い荒らすので被害の進行が早い。早期発見・対策に務めます。
害虫名 発生時期 症状 防駆除法
毛虫 春と秋・年2回発生するものと春だけ発生するもの、7月頃暑い時期に発生するものがいて種類もさまざま 蝶や蛾の幼虫です。主に樹木に被害が見られます。雑食性の害虫で手当り次第に葉を食い荒らします。幼虫には毒針がある種類が多いので直接触れるとひどい痛みをもたらしたりかゆみやかぶれと言った被害もあります。成虫になると葉に卵を産みつけて飛び回り繁殖するので、幼虫のうちに駆除しておくことが望ましいです。 定期的な薬剤の散布。ベニカX乳剤など
ハマキムシ 4~9月 体長2~4センチの幼虫が葉を巻いたり綴り合わせた中に生息しています。葉や新芽蕾などを食害します。果肉内に入り込んだり、茎や根に穴をあけるものもいます。 見つけ次第、葉ごと取り除く。スミチオン乳剤などを散布
ヨトウムシ 春と秋に発生 一般には草花や野菜に多い害虫で日中の明るいうちは地中に浅く住み、暗くなると這い出して葉を食い荒らします。被害植物の近くに小さく掘られたような跡が残っているか観察し、見つけ次第捕殺するのが一番です。 ふ化直後の葉裏に群棲している時に防除するのがポイントです。マラソン乳剤などを散布
ネキリムシ 4~11月頃発生 直接被害を及ぼすのは幼虫で、夜間に地表へ出て地際の茎を食害する。 土を掘り返し、見つけたら捕殺する。ダイアジノン粒剤3など
エカキムシ 3~10月 ハモグリバエやハモグリバの幼虫。葉の中に小さな虫がもぐり、白っぽく絵を描いた様に食い荒らしながら移動する。 食害跡の先端に幼虫がいるため、その部分を押しつぶして退治します。ベニカJスプレーなどの浸透移行性剤が有効です。
ハムシ
コガネムシ
幼虫(一年中)
成虫(5~8月)
成虫は葉を食害し、幼虫は土の中に住んでいてウジ虫状をしている。根や茎までかじるため生育が極端に悪くなったり、大根や蕪の根野菜は穴や傷ができたりする。 草木灰をかけると、匂いと粉を嫌って逃げていきます。成虫にはスミチオン乳剤やオルトラン水和剤を散布します。ダイアジノン粒剤3などで幼虫駆除します。
ハバチ 4~11月頃発生 外見が毛虫と同じ姿だがハチの仲間。イモムシ状の幼虫が集団でいる。主に若葉から盛んに食べ短期間で葉を食尽す。早期発見・駆除が必要です。 アクテリック乳剤、スミソン乳剤などが効果的
テントウムシダマシ 4~9月 幼虫成虫ともに姿が益虫のてんとう虫に似ていますが、成虫は甲羅が褐色で星の数は28個あります。幼虫は刺の生えたタワシのような形です。葉や茎、果実を食害する。 スミチオン乳剤やオルトラン水和剤を散布
カミキリムシ 幼虫(一年中)
成虫(5~9月)
幼虫はテッポウムシとも呼ばれ、1~2年をかけて幹の中を食害し、木くずや排泄物を出す。食害されたところから上の葉がしおれてきたり、えぐられた様な跡がついています。 成虫は樹勢の衰えた幹に産卵する傾向があるので、肥培管理に気を付けて樹勢を強くすることが予防になります。スミチオン乳剤などを定期的に散布
シャクトリムシ 5~6月頃と8~9月頃の年2回発生 主に樹木にします。シャクガの幼虫で体長25~80ミリ程度。樹木の枝とそっくりのスタイルの虫で、葉を食い荒らします。

木酢液散布で予防になる
即効性にはベニカS乳剤を
散布

タバコガ 8~9月頃の被害が多い。 草花の蕾や野菜の果実を1カ所に留る事なくことなく食害するため被害が大きくなる モスピラン粒剤など
ナメクジ 梅雨時期と9~
11月頃に活発化する
湿度のある暗い場所に隠れていて、夜になると這い出て新芽や蕾、花弁などを食い荒らす 不快害虫。噛み切られたような跡や白い光沢のある這い跡が残っています。 不快害虫粉剤
カキノヘタムシガ 年2回発生 柿の主要害虫です。柿のへた部分からとれて落果します。虫が異常発生していると果実全部が落果することもあります。 毎年被害が目立つ時は、秋口にコモを巻いて、春先にコモを取りはずし、処分する方法も有効です。薬剤による防除は散布時期ベニカ水和剤など
クリタマバチ  成虫(6月中旬~7月上旬 )
幼虫(4月頃)
小型の蜂の仲間で被害をもたらすのは幼虫です。ウジ虫状。寄生された芽は伸長せず、肥大して虫コブができます。幼虫は新芽や葉を食べ木の生育が止まります。抵抗性品種を育成して栽培するのがよいとされています。 防除時期は7月頃。スミチオン水和剤など散布

松 特有の害虫(上記害虫も発生する)

害虫名 発生時期 症状 駆除方法
マツカレハ
マツケムシ
5月〜6月頃 幼虫
7月〜9月頃 成虫
春に幼虫が針葉を食害し、被害部分が褐色になって枯れる。幼虫は成長すると体長70ミリから80ミリの大きく育つので全葉を食いつくされます。このようになると樹勢も衰え、樹が枯れてしまう場合もあります。産卵は針葉上で行われ、塊になっていますので発見しやすいといえます。 薬剤防除として若齢幼虫の9月頃に散布する。アディオン乳剤2000〜4000倍液、デミリオン水和剤4000〜6000倍液などが有効。
マツノマダラカミキリ
マツノザイセンチュウ
年間を通じて発生するが8月が多い 松の再重要害虫です。成虫の暮らす森などが近い場合発生しやすい。成虫のカミキリが松の枝をかじって食べる時に幼虫のザイセンチュウが松の傷口から樹帯内に侵入する。その後樹体内で移動・分散し、吸汁しながら徐々に繁殖します。よって樹は衰弱し枯死します。被害の進行速度が早く、褐変し始めた時はすでに手遅れです。 松を健康に育てる事が大切です。成虫のカミキリが樹に傷をつけ産卵しても、健康であれば樹脂がたくさん分泌され産卵ができません。
    健康に育てるポイント
  • 強い葉むしりを避けること
  • 寒肥を毎年行う
  • 排水に注意する
防除として成虫の発生期の6月上旬頃と下旬頃の2回に分けて、スミパイン乳剤を1㎡あたり500cc幹に散布する。